平成18年10月12日の講演会・運営委員会の報告

幹事 田嶋裕久


  1. 2006年度秋季講演会

    (1) 日時:平成18年10月12日(木) 10:00〜12:00
    (2) 場所:富山国際会議場204室(2階)
    (3) 講演内容

    1) 「航空衛星通信システムの動向」
    住谷 泰人・石出 明(電子航法研究所)

     2006年に開催された欧州NexSAT(Next Generation Satellite System Steering Group)会議、 AGCFG(Air Ground Communication Focus Group)会議、 ICAO(国際民間航空機関)の航空通信パネルの作業部会等から得られた 最近の航空衛星通信システムの動向に関し、 将来の通信インフラやインマルサット、イリジウム等の衛星計画や、 航空機製造メーカの衛星関連対応動向等について、会議概要とともに報告された。


    2) 「運輸多目的衛星(MTSAT)による
                  航空衛星移動通信の概要」
    ○高橋 秀治(国土交通省)

     運輸多目的衛星(MTSAT)による航空移動衛星通信(AMSS)は、 増加する太平洋上の航空交通を処理する目的で、 ICAO標準のAMSS(航空移動衛星通信サービス)に準拠した データリンク通信(ADS・CPDLC)による信頼性の高い航空管制を 実現するために導入された。

     またMTSATシステムは2つの衛星および2つの地球局による 高信頼性システムであると同時に、既にAMSSを提供している INMARSATシステムとシームレスな自動切替が可能なシステムとして、 本年7月より本格的な運用が開始されたところである。


    3) 「準天頂衛星を用いる高精度測位実験」
    ○坂井 丈泰・伊藤 憲・福島 荘之介・武市 昇(電子航法研究所)

     準天頂衛星(QZSS)は3機の衛星で構成され、 8の字形の軌道とすることで24時間我が国の上空に存在するようにして、 高精度な測位を行うことが計画されている。
     このプロジェクトには宇宙航空研究開発機構(JAXA)と 複数の国立研究機関も参加しており、電子航法研究所は 広域ディファレンシャル技術開発を担当している。

     GPSとともに利用できるようにその信号形式は互換性が考慮されている。 L1/L2/L5の補完信号はGPS衛星が増える効果がある。 サブメータ級補強信号(L1-SAIF)もGPS L1の周波数で放送される。

     これは我が国全域を対象としたSBAS方式による広域ディファレンシャルGPSで、 インテグリティ情報も含んでおり、誤差1m以下の信頼性の高い測位が可能となる。 オフラインの試験システムをすでに整備し、現在はリアルタイム化に向けて作業中である。 2009年度に準天頂衛星1号機の打上げが予定されている。


  2. 2006年度秋季運営委員会

    (1) 日時:平成18年10月12日(木) 12:00〜12:55
    (2) 場所:富山国際会議場204室(2階)
    (3) 出席者:石出、近村、長岡、天井、田嶋
    (4) 議題
    1) 平成18年度前期活動報告

    • 平成18年度会計中間報告を行い承認された。

    • 平成18年5月26日に東京海洋大学 品川キャンパスで 開催された秋季研究会講演会の参加者は16名。

    • ニュースレターは18年度1回(第54号)が 発行されたことが報告された。


    2) 平成18年度後期活動計画等

    • 今回の講演3件について、学会誌「NAVIGATION」 への投稿を講演者に依頼することとなった。

    • 平成19年度春季研究会講演会は、発表課題として 新しい航空機、航法装置関連 について検討することとした。

    • ニュースレターの作成は18年度後期1回発行することとした。

    • 研究会のホームページに研究会の講演募集を掲載することとした。 また、最近の研究会配付資料をPDF形式で載せることとした。


    3) 編集委員会報告

    • 天井委員より平成18年度第2回の編集委員会報告があった。



「NAVIGATION」第166号 pp.75-76(平成19年6月)より


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