平成19年5月25日の講演会・運営委員会の報告

幹事 田嶋裕久


  1. 2007年度春季講演会

    (1) 日時:平成19年5月25日(金) 13:30〜15:30
    (2) 場所:東京海洋大学 越中島キャンパス
                    越中島会館SCS講義室(2階)
    (3) 講演内容

    1) 「737-800のコックピット計器における
                   新たな安全・航法表示について」
    山本 憲一 (日本航空 運航技術部)

     近年、航空機において表示装置のデジタル化が進むとともに、 新たな航法/警報装置の開発が進んでいる。 また、RNAVやVNAV Approachのような新たな航法要件も整備され、 運航乗務員が把握しなければならない情報量は増大している。

     表示についての変遷を紹介するとともに、 効率的なコックピット表示達成のために、 737-800に新たに装備された表示機能である IAN(Integrated Approach Navigation)、 NPS(Navigation Performance Scale)、 VSD(Vertical Situation Display)について説明した。


    2) 「機上監視応用の開発動向」
    ○小瀬木 滋(電子航法研究所)

     将来の航空交通管理ATMにより安全かつ効率的な航空機運用を実現するため、 パイロットと管制官による交通情報の共有が提案されている。

     これを実現する監視装置の運用方式として、 パイロットが航空機搭載監視装置を活用する機上監視応用 (ASA: Airborne Surveillance Application) と、 管制官が地上設置監視機器を活用する地上監視応用 (GSA: Ground Surveillance Application)が研究されている。

     機上監視応用については、応用方式の定義、性能分析、安全性分析等を経て 要件を明らかにし、システムの共用性を維持する条件の検討が進められている。

     本報告では、機上監視応用の概要を紹介し、方式例やその検討状況を報告した。


    3) 「航空交通管理と最近の技術動向」
    ○長岡 栄(電子航法研究所)

     まず、航空交通管理(ATM)とは何かについて、航空交通管制の歴史、 ICAO文書における定義、航空交通管制との違い、 わが国におけるATMの実際などを取り上げて説明した。
     ついで、その目的である安全性や効率を追求するための、 現在わが国で行われている研究課題と将来の研究課題にふれた。

     発表者は、ATMの問題は複雑で大規模なシステムの最適化問題と 考えることができると考えており、今日の取り組むべき課題として、 リスクによる安全性評価・管理、航空機の軌道に基づくATMの実現が重要としている。


  2. 2007年度春季運営委員会

    (1) 日時:平成19年5月25日(金) 12:00〜13:10
    (2) 場所:越中島会館コモンスペース4(2階)
    (3) 出席者:石出、久木田、西、長岡、塩見、天井、田嶋
    (4) 議題
    1) 平成18年度後期活動報告

    • 平成18年度会計報告は原案の通り承認された。

    • 前回の富山国際会議場で開催された 秋季研究会講演会の参加者は10名。

    • ニュースレターは18年度2回(第54号、第55号)が 発行されたことが報告された。


    2) 平成19年度前期活動計画等

    • 今回の講演について、可能なものは学会誌「NAVIGATION」 への投稿を講演者に依頼することとなった。

    • 平成19年度秋季研究会講演会は、 10月12日で飛行機シンポジウムと重なるため、 出席できない人が出ることも予想される。 発表課題として神戸周辺の空港関連等について検討することとした。

    • ニュースレターの作成は19年度2回程度発行することとした。

    • 開設済みの航空宇宙研究会のホームページで研究会資料等の 公表を引き続き行うこととした。容量の制限があるので過去2回分程度となる。


    3) 編集委員会報告

    • 天井委員より平成19年度第1回の編集委員会の報告がされた。 研究会の特集記事を3篇程度募集する。締め切りは平成20年3月15日。



「NAVIGATION」第166号 p.76(平成19年6月)より


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