平成19年10月12日の講演会・運営委員会の報告

幹事 田嶋裕久


  1. 2007年度秋季講演会

    (1) 日時:平成19年10月12日(金) 13:30〜15:30
    (2) 場所:神戸市勤労会館(講習室404)
    (3) 講演内容

    1) 「神戸空港の概要と運用状況」
    ○山野 啓 (神戸市みなと総局)

     神戸空港は、ポートライナーで約17分と都心部からのアクセスがよい。 神戸空港の開港と、JR新神戸駅に「のぞみ」停車の実現により、 利用者利便が非常に向上した。

     神戸空港には、現在6路線27往復便が就航している。 平成19年度上半期の旅客数は、前年同期間比で約1割増加している。
     また、国際便については自家用機等に限り就航が認められており、 外資系企業誘致や国際コンベンション誘致等に向け ビジネスジェット機の利用増を期待している。

     周辺航路と空港の制限表面との関係については、 AIS等を用いた船舶動静監視、さらに港湾管理者、空港管理者、 航空局(管制機関)等の相互の情報共有等により、 航空機、船舶ともに安全な運航を確保している。


    2) 「マルチラテレーション監視システムの導入評価」
    ○宮崎 裕己(電子航法研究所)

     空港の交通量が増大した場合においても 安全かつ円滑な航空機の運航を可能とするため、 空港面での管制業務を支援するシステムとして マルチラテレーションの導入が検討されている。

     このマルチラテレーションとは、 航空機に搭載されたトランスポンダから送信される信号を 3局以上の受信局で受信して、 その時間差から航空機の位置を測定する監視システムである。

     羽田空港において、事前検証を目的としたマルチラテレーションの 評価実験を実施して、初期の評価では、 位置精度や検出率について性能要件を満たすことは出来なかった。

     しかしながら、把握した問題点に対して改善策を適用した結果、 一部のエリアを除き、性能要件を満足する値が得られ、 実導入への見通しを得ることが出来た。


    3) 「先進型地上走行誘導管制(A-SMGC)
                   システムの開発動向」
    ○二瓶 子朗(電子航法研究所)

     近年の幹線空港等の大規模化に伴う空港面レイアウトの複雑化 および空港需要増大に伴う高密度運航に対応するため、 また、夜間や霧などの視程が低い状況下でも航空機等の地上走行の 安全性及び効率性の向上を図ると共に、 管制官の状況認識の向上によるワークロードの軽減等に寄与できる A-SMGCシステムの早期研究、開発、導入が社会的にも求められている。

     電子航法研究所では、国土交通省航空局のニーズ調査等に基づいて 平成16年度から「A-SMGCシステムの研究」を実施しており、 近い将来実現可能な技術水準を前提としたシステム開発を進めている。


  2. 2007年度秋季運営委員会

    (1) 日時:平成19年10月12日(金) 12:00〜13:00
    (2) 場所:神戸市勤労会館(講習室404)
    (3) 出席者:石出、近村、天井、住谷、田嶋
    (4) 議題
    1) 平成19年度前期活動報告

    • 平成19年度会計中間報告を行い承認された。

    • 平成19年5月25日に東京海洋大学 越中島キャンパスで開催された 春季研究会講演会の参加者は16名。

    • ニュースレターは19年度1回(第56号)が 発行されたことが報告された。


    2) 平成19年度後期活動計画等

    • 前回の講演2件に加えて、今回の講演2件について、 学会誌「NAVIGATION」の特集号への 投稿を講演者に依頼することとなった。

    • 平成20年度春季研究会講演会は、 発表課題として月周回衛星かぐや、MTSAT、イリジウム関連 について検討することとした。

    • ニュースレターの作成は19年度後期1回程度発行することとした。

    • 研究会のホームページに、今回の研究会配布資料を PDF形式で載せることとした。


    3) 編集委員会報告

    • 天井委員より平成19年度第2回の編集委員会報告があった。



「NAVIGATION」第167号 pp.99-100(平成19年12月)より


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