平成20年5月23日の講演会・運営委員会の報告

幹事 田嶋裕久


  1. 2008年度春季講演会

    (1) 日時:平成20年5月23日(金) 10:00〜12:00
    (2) 場所:東京海洋大学 越中島キャンパス
                  越中島会館SCS講義室(2階)
    (3) 講演内容

    1) 「航空機の安全運航を支援する情報を
        地上から送信する技術(TIS-B、FIS-B)について」
    ○塩地 誠、小瀬木 滋、米本 成人、
    大津山 卓哉、三垣 充彦(電子航法研究所)

     航空機の操縦士は周囲の交通状況を知りたいという願望がある。
     機上において周囲の交通状況を表示するための情報を地上から伝送する TIS-B(放送型トラフィック情報サービス)、 航空安全や気象の情報を伝送するFIS-B(飛行情報サービス放送)、 航空機間で情報を放送するADS-B(放送型自動従属監視)の実験が 現在米国において行われており、 日本から電子航法研究所と宇宙航空研究開発機構も共同研究で 飛行実験に参加している。

     また、1090MHz拡張スキッタTIS-B装置も試作する計画である。


    2) 「月周回衛星(かぐや)のミッション」
    ○前島 弘則(宇宙航空研究開発機構)

     宇宙航空研究開発機構が開発した月周回衛星「かぐや」は 平成19年9月14日に種子島宇宙センターよりH-IIAロケットにより打ち上げられ、 月周回軌道投入、子衛星分離、搭載機器初期チェックアウトを経て、 現在定常観測運用を実施している。

     本発表では、「かぐや」のサイエンス及び利用ミッションについて、 他国のミッションと対比させながら紹介した。 特に、「かぐや」が目指す15のミッションの目的、観測原理、 これまでに得られた初期成果等を説明した。


    3) 「GBASの現状と課題」
    ○藤井 直樹(電子航法研究所)

     全世界的衛星航法システム(GNSS)を航空機の 着陸に使用するための補強システムである 地上型衛星航法補強システム(GBAS)に関する話題の紹介を行った。

     GBASの概要と、米国,欧州,日本などにおける CAT-Ⅰ GBASの地上システムの開発、評価、認証活動、 およびGBAS実用化の課題であるインテグリティなどについて紹介した。

     インテグリティについてはその概念と最大脅威である電離層異常現象と GNSS信号の歪み検出を、さらにGBAS運航方式における 曲線進入に関する研究活動や、 CAT-Ⅲ GBASに向けた各国の動き等についても紹介した。


  2. 2008年度春季運営委員会

    (1) 日時:平成20年5月23日(金) 12:00〜13:10
    (2) 場所:越中島会館SCS講義室(2階)
    (3) 出席者:石出、大沼、久木田、近村、安部、長岡、
            天井、住谷、田嶋、渡辺(オブザーバ)
    (4) 議題
    1) 平成19年度後期活動報告

    • 平成19年度会計報告は原案の通り承認された。

    • 前回の神戸市勤労会館で開催された 秋季研究会講演会の参加者は18名。

    • ニュースレターは19年度2回(第56号、第57号) 発行されたことが報告された。


    2) 平成20年度活動計画

    • 今回の講演について、可能なものは 学会誌「NAVIGATION」への投稿を講演者に依頼することとなった。

    • 平成20年度秋季研究会講演会の発表課題として、 神戸周辺の講演者にお願いするということで、 MTSAT、関西国際空港、航空保安大学校等 について検討することとした。

    • ニュースレターの作成は19年度2回程度発行することとした。

    • 予算については可能であれば講演者への記念品の増額を 検討することとした

    • GPS/GNSS国際シンポジウム2008の共催と役員の交代について 提案され了承された。


    3) 編集委員会報告

    • 天井委員より平成20年度第1回の編集委員会の報告がされた。 NAVIGATIONは年4回発行の予定。



「NAVIGATION」第168号 pp.108-109(平成20年6月)より


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